2023-01-21から1日間の記事一覧

704 「限りなく沈黙に近い詩集」・・・ 「虚空へ」(谷川俊太郎、新潮社、2021年)

「言葉数を少なくすることで、暗がりのなかで蛍火のように点滅する詩もあるかもしれない」「今の夥しい言葉の氾濫に対して、小さくてもいいから詩の杭を打ちたいという気持ちがあった」(p.198)。 詩人はあとがきにこのように記しています。 「言葉の氾濫」へ…

703 「人生とともに深まる精神、広がる宇宙」・・・「暮らしの哲学」(池田晶子、毎日新聞社、2007)

この書名にはどのような意味があるのでしょうか。毎日の生活にも哲学のヒントがある、ということでしょうか。そうかもしれませんが、暮らしというより「生きていること」そのものの哲学、つまり、わたしたち人間と世界の根本を考える哲学、というようにも思…