なんて歴史なんだ
なんて世の中なんだ
あんなに叫んだのに
あんなに訴えたのに
なんて人生なんだ
なんて生涯なんだ
こんな年になってしまった
こんなざまで
もう終わってしまうんだ
あなたを祝福しよう
あなたに恵みを与えよう
もう何年も残されていないのに
私の人生に祝福と呼べることなど
起こるはずがあろうか
もうこんな年になってしまったのに
どんな恵みがどれだけ
いただけるというのか
わたしはあなたの間に
いのちを生みだす
あなたはそれを
笑い、と名付けなさい
わたしは来年のいまごろ
もういちどここに来る
かならず来る
そのときには
あなたに笑いが生れている
そんな馬鹿なことがあろうか
もうこんな年なのに
もう何の希望もないのに
こんなひどい世の中なのに
こんなでたらめに押さえつけられているのに
あたらしいものなど
何ひとつ起こらないのに
あなたはなぜ疑うのか
もうこんな年だから
もはやこんな世の中だから
もう何も生まれないと
なぜ希望を捨てるのか
わたしにできないことがあるか
わたしが祝福できない人生があるか
わたしが恵めない世界があるか
重ねて言う
わたしは来年のいまごろ
もういちどここに来る
かならず来る
そのときには
あなたに笑いが生れている