30 「その岩を打て、清水がほとばしる」


飲み水がない
喉がからからだ
こんなところに連れ出して
おれたちを殺す気か
こんなことなら
昔のままがずっとよかった


そうだろうとも
では、昔を取りもどしてやろう
あの帝国に連れ帰ってやろう
あそこなら飢えることも
渇くこともない
おれに付いてこい


行ってはならぬ
彼らに従ってはならぬ
わたしとともに歩け


わたしが水源の岩まで
あなたたちを導く
あなたはその岩を打て
そうすればそこから
清水がほとばしる
あなたたちはそこから汲み
そこから飲むのだ