335  「猫にも人にもやさしい川柳集」

「日なた猫の近江百景 1/0380000」(2016年)

友人のおつれあいの川柳集です。


「過労死と職に就けない人といて」

「ファミレスで働く主婦とだべる主婦」

「クーラーをかけても開けとく猫の幅」

猫にも人にも心を配った川柳です。


「くす玉は割れない方が盛り上がり」

ここにも失敗を責めない、あたたかなまなざしがあります。


「書いてると尖ったところ丸くなり」

とがった鉛筆もとがった心も、書くにつれ、丸くなりますね。


「この花が私の庭で咲く不思議」

何かの賞をとった作品だそうです。川柳と言うか、詩ですね。世界の神秘に触れた詩です。神秘と笑いとユーモアは、じつは、とても似ているのかもしれません。


「こけたから道端に花咲くも知り」

こけたら(転んだら)すぐに立ちあがろうとするのではなく、そこにひそかに咲く花を知るこころがやわらかです。


「パに力入れたら下着になるパンツ」

ンに力を入れたら、下着の上に穿くものになります。


「座布団の凹み残して猫が逝く」

ここにも小さないのちへの大きな愛が感じられます。


「残飯や戸外で満足してたポチ」

ポチへの共感、愛情があふれ出ています。


「妻が食べお返し決めるチョコレート」

ううむ。夫はもてない方ではないようです。