「日なた猫の近江百景 1/0380000」(2016年)
友人のおつれあいの川柳集です。
「過労死と職に就けない人といて」
「ファミレスで働く主婦とだべる主婦」
「クーラーをかけても開けとく猫の幅」
猫にも人にも心を配った川柳です。
「くす玉は割れない方が盛り上がり」
ここにも失敗を責めない、あたたかなまなざしがあります。
「書いてると尖ったところ丸くなり」
とがった鉛筆もとがった心も、書くにつれ、丸くなりますね。
「この花が私の庭で咲く不思議」
何かの賞をとった作品だそうです。川柳と言うか、詩ですね。世界の神秘に触れた詩です。神秘と笑いとユーモアは、じつは、とても似ているのかもしれません。
「こけたから道端に花咲くも知り」
こけたら(転んだら)すぐに立ちあがろうとするのではなく、そこにひそかに咲く花を知るこころがやわらかです。
「パに力入れたら下着になるパンツ」
ンに力を入れたら、下着の上に穿くものになります。
「座布団の凹み残して猫が逝く」
ここにも小さないのちへの大きな愛が感じられます。
「残飯や戸外で満足してたポチ」
ポチへの共感、愛情があふれ出ています。
「妻が食べお返し決めるチョコレート」
ううむ。夫はもてない方ではないようです。