敗戦は敗北ではない
勝てないことはあっても
負けて全員逃げ出したことなど
いちどもない
いくども敗戦を重ねてきた
勝った戦いなどほとんどない
けれども
もう誰も立ちあがらなくなったことも
もう誰もつづかなくなったことも
そんなことは
いちどもない
世界の初めから
いちどもない
世界は暗黒への勝利に始まった
あの郷にはけっして行かれない
自分たちには生きる世界がどこにもない
それほどそこはでたらめで
それほどそこは虚しかった
何もなかった
何も見えなかった
が
光あれ
すると光があった
光が勝ち
歴史が動き始めた
負けないだけではない
最初から勝っていたのだ
つぎも勝っていた
そのつぎも
歴戦勝利の詩が
ここにあった
最後もきっと勝つ