百冊の面白い本が紹介されていますが、それを読まなくても、この本自身がもうすでに面白い本です。
まず、この本で紹介されている百冊の本が伝える事実や出来事がとても面白い。
つぎに、その事実を書き表したそれらの本も面白い。
そして、それらを紹介する本書の文章が、じつに面白いのです。
じつは、最初の方は面白くありませんでした。百冊の中にはキリスト教についての本もあるのですが、キリスト教の世界の中にいるぼくから見ると、その本自身はやや疑問符をつけたくなるもので、また、成毛さんのコメントにも首をかしげてしまいました。
けれども、考えてみますと、ぼくらも、自分の専門外の分野については、この手の本を読んで、勘違いしていることが案外あるのかもしれません。その分野の専門家からは、あまり信用されてないことを鵜呑みにしていることがたくさんあるのだろうと、教えられました。
そういうこともあり、読み始めは、この本の面白さは、ハリウッドのアクション映画、純娯楽映画的なものかと思っていましたが、読み進むにつれて、ヒューマンドラマ映画、社会派映画、文芸映画的な面白さも出て来ました。すごく面白い本がいくつも出て来ます。わくわくしながら読み進みました。
ぼくの読書傾向は、文学、心理、人権、キリスト教などですが、この本では、文学は扱っておらず、科学、歴史、事件、経済、美術などのノンフィクションなどが、そのぶん、とても簡潔かつ関心をそそるように紹介されていて、普段とは違う、本の世界を垣間見たようで、楽しく読めました。
いくつか読みたいなと思った本もありましたが、買うのは一冊だけにしておいて、あとは、この本の紹介文だけで満足することにしました。積読山の崩落防止にも役立つ一冊です。
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