156 「悪魔が降りてくるまでの地獄と、そこから生まれる言葉の天国」

 テレビ番組「プレミアムドラマ 劇作家・井上ひさし 誕生の物語」(NHK BS、2013年12月15日放映)

北村有起哉内山理名が、ひさしと好子夫婦を好演。

ひさしの暴力も、ある程度描いている。好子も打ち返している。

番組最後に西舘好子さんが語る映像もあるので、一応、この夫婦間の暴力の描き方については、好子さんの了承も得ているのだろう。

劇中のひさし反省の弁は、ひさしの言葉なのか、これを放送する条件として、好子がのんだものなのか。

ものを書く者にとって、言葉・・・「悪魔」とも言っていたが・・・が降りてくるまでの地獄が良く伝わってくる。

暴力は許されないし、この夫婦間には不明のこともまだまだあるような気がするが、井上ひさしが血反吐と毒を吐きながら、民主主義と民と闇に咲く花を語る膨大な小説と戯作を残してくれたことは間違いないし、彼についての文学的研究はこれから本格化するのではなかろうか。

http://www4.nhk.or.jp/P2959/