映画「ルノワール 陽だまりの裸婦」 (2013年)
ルノワールの屋敷は、自然公園のように広大で、光と緑にあふれ、まさに彼の絵の世界そのものでした。
この映画で知ったことをいくつか。
ルノワールの家には、モデルさんが何人か住み込んでいて、料理や洗濯、老ルノワールのケアなどもしていたようです。
息子が三人、わりと遅い子どもたちのようです。
次男は「フレンチ・カンカン」などを作った映画監督で、ジャン・ルノワールというそうです。
ルノワールは、現実には悲しい出来事が満ちているので、ぎゃくに、自分の絵に黒は使わなかったそうです。また、仕事とは手でするもののことだと考えていたそうです。
この映画でおもしろいのは、父と子がともに、一人の女性に芸術的な美しさを見、それを描いたことです。けれども、父は画家として、子は映画監督として。というか、じつは、子は女優志望のこの女性の夢をかなえるために映画監督になったのです。
ぼくの父も、ぼくも、イエスという存在に最大の魅力を感じていますが、焦点の当て方も、表現の仕方も、まったく同じとは言えず、かなり異なるところもあると思います。
ひとつの価値観を継承するのは良いけれども、少しはズレがないと、芸がない、と思いました。