(8)「弱い者を選ばれた」

 1:26-28

1:27しかし神は、知恵ある者をはずかしめるために、この世の愚かな者を選び、強い者をはずかしめるために、この世の弱い者を選ばれたのです。


 パウロはこの手紙をコリントの教会の人々に向けて書いています。この教会には、有名な知識人や学者、貴族、政治家のような人々はいなかったようです。いわゆる庶民が集まっていたのです。自分には力がない、頭が良くない、精神力がない、何もできない、という思いがわたしたちにはありますが、このようなことをパウロから聞くと、少し安心できるように思います。神さまは、わたしたちの能力や実績を判断して選ぶのではなく、ただわたしたちを愛しておられるがゆえに招いてくださるのです。この節では「選ぶ」とは「招いてくださる」ということではないでしょうか。試験による選抜ではなく無試験入学です。このような神さまの愛の前に立つ時、自分はえらいとか、こんなことができるとか言って自分を誇ることが恥ずかしくなってしまいます。神さまはわたしたちの弱さを大切にしてくださるお方ですから、強さを誇ったり、強くなろうとしたりしなくてもいいのです。

(※雑誌「百万人の福音」(2008年9‐12月)に掲載されたものです。新改訳聖書から引用しています。)