18 「弱肉強食ではなく」

ヨブ記に、動物の食物連鎖など自然界が弱肉強食の掟に支配されて​いることが描かれていますが、並木浩一さん(「人が共に生きる条​件 説教・奨励集」、新教出版社)によれば、これは、間接的に、​人間世界の掟=律法の大切さを示しているということです。

自然界は人間が手出しできない「外部世界」であり、弱肉強食の原​理で支配されているが、人間の世界もそんな原理で悪人どもが支配​することがあってはならない、そのための律法だというのです。

律法は、人間界が自然界のように弱肉強食にならないように(自然​界にも弱者を守るシステムがあるという見方もあるようですが・・​・・)、むしろ、人と人とが共に生きるために与えられたものだ、​ということを並木さんは述べておられるように読みました。

ヨブ記の自然界描写についての解釈として秀逸だと思いました。