ヨブ記に、動物の食物連鎖など自然界が弱肉強食の掟に支配されていることが描かれていますが、並木浩一さん(「人が共に生きる条件 説教・奨励集」、新教出版社)によれば、これは、間接的に、人間世界の掟=律法の大切さを示しているということです。
自然界は人間が手出しできない「外部世界」であり、弱肉強食の原理で支配されているが、人間の世界もそんな原理で悪人どもが支配することがあってはならない、そのための律法だというのです。
律法は、人間界が自然界のように弱肉強食にならないように(自然界にも弱者を守るシステムがあるという見方もあるようですが・・・・)、むしろ、人と人とが共に生きるために与えられたものだ、ということを並木さんは述べておられるように読みました。
ヨブ記の自然界描写についての解釈として秀逸だと思いました。