2020-04-27から1日間の記事一覧

508 「おだやかでない人生を支えるおだやかな祈り」・・・「短章集 ― 蝶のめいてい/流れる髪」 (永瀬清子、詩の森文庫、2007年)

詩人の生まれるひと月前に、父は、「心をおだやかに」と母とお腹の子のために、祈ってくれたと言います。「その祈りはおだやかとものどかとも云えぬ私の一生をいつもフットライトのように見えぬ角度から照射していたのにちがいなく」(p.118)。祈りとは、叶わ…