「マローンおばさん」(エリナー・ファージョン、こぐま社、1996年)
生きている間によいことをしたら天国に行ける、という考え方には、どうもなじめません。
マローンおばさんは貧しくひとりぼっちでしたが、生きているうちから、すでに天国に生きていたのだと思います。いのちをもてなし、いのちをわかちあうことこそが、天国ではないでしょうか。
「貧しい者は幸いである。天国はその人びとのものである」というイエスの言葉は、死後のことだけを言っているのではありません。
けれども、死ぬ前から、天国を生きていた人は、死んだ後からも、たしかに、天国を生きることでしょう。
貧しくてひとりぼっち。お金もないし、人脈もない。
でも、そこに天国があるのです。