410 「貧しくてひとりぼっち。でもそこに天国があります」

「マローンおばさん」(エリナー・ファージョン、こぐま社、1996年)

 生きている間によいことをしたら天国に行ける、という考え方には、どうもなじめません。

 マローンおばさんは貧しくひとりぼっちでしたが、生きているうちから、すでに天国に生きていたのだと思います。いのちをもてなし、いのちをわかちあうことこそが、天国ではないでしょうか。

 「貧しい者は幸いである。天国はその人びとのものである」というイエスの言葉は、死後のことだけを言っているのではありません。

 けれども、死ぬ前から、天国を生きていた人は、死んだ後からも、たしかに、天国を生きることでしょう。

 貧しくてひとりぼっち。お金もないし、人脈もない。

 でも、そこに天国があるのです。

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