2021-02-06から1日間の記事一覧

553 「見失った根源へ、感じ損なった永遠へ」・・・「読書のちから」(若松英輔、亜紀書房、2020年)

「マッチ売りの少女」は悲しいお話だった。だが若松さんは言う。「この作品は、生者と死者の世界を貫く悲愛の物語にほかならない・・・悲しみの種子が愛(かな)しみの花へと変貌していく物語」(p.127)。悲哀ではない。悲愛だ。ああ、マッチをするとはこうい…