(10)「弱く、恐れおののいて」

2:1-5 「弱く、恐れおののいて」

2:2-3なぜなら私は、あなたがたの間で、イエス・キリスト、すなわち十字架につけられた方のほかは、何も知らないことに決心したからです。あなたがたといっしょにいたときの私は、弱く、恐れおののいていました。

 パウロはコリントにいた時「弱く、恐れおののいてた」(2:3)と述べています。パウロの信仰や神学、宣教の働きをわたしたちはおおいに尊敬しますが、彼もまた、体や心の痛みを抱えていました。キリストの十字架こそが神の救いだという、人々には愚かに思えることを宣べ伝えていたのですから、受ける批判や迫害も簡単にやり過ごせるようなものではなかったでしょう。けれども、パウロは、まさにキリストの十字架をこそ頼りにして、この困難の道を歩きぬきました。キリストは十字架上でわたしたちの苦しみを背負ってくださっておられるとパウロは信じたのです。また、わたしたちが苦しくてもこの道を歩み続けることは、キリストの十字架に従うことだと信じました。キリストが十字架の上でわたしたちとともに苦しんでくださる、パウロにとってこれ以上の救いはありませんでした。だから、そのほかは「何も知らないことに決心した」(2:2)のです。

(※雑誌「百万人の福音」(2008年9‐12月)に掲載されたものです。新改訳聖書から引用しています。)