686  「資本主義経済に頼らずに共同体を営む道はないか」・・・「里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く」(藻谷 浩介、 NHK広島取材班著、角川新書、2013年)

 エネルギーと言えば、石油や電力を思い浮かべるが、この本に出て来る内外のいくつかの街では、製材業の副産物である木片を燃やすことで暖房、調理用の熱を得ている。里山はその木材の供給地である。

 市場を独占する大企業に依存せずに、生活に必要なものを手に入れる。何でも大企業の流通経路でお金により手に入れる生活。その割合を減らす。大企業に依らない部分、お金に依らない部分を少しでも増やす。

 

 このような発想は、たとえば、キリスト教会にも応用できるのではないか。現在、多くの教会は、教会に来る人びとの献金を収入として、そこから、教会の建物の維持費、水光熱費、事務費、牧師などへの給与、他の教会・団体への献金などを支出している。

 かつて教会の収入金額の多くは正規雇用者に頼っていたが、現在はその人びとが退職し年金生活者になり、また逝去する者もいるので、多くの教会の年間収入は年々減少している。そうすると、牧師給などの支出も減額することになる。

 人々の貨幣による献金に頼った収入、同じく貨幣による教会運営、牧師の生計。里山資本主義的な発想でこれを転換することはできないだろうか。

 

 教会の多くは、建物や敷地、庭といった資源を持っている。そうしたものを利用して、地域の人々の益となり、同時に、教会の運営の貨幣的な面を楽にする方法はないものだろうか。

 

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